オリジナル小説『銀河系大戦史』

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銀河系大戦史
前期大戦編
概要
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CHAP01.JPG - 17,991BYTES 現在より数百年後の未来。銀河系の半分にまで、その勢力圏を広げていた地球人類たちだったが、遂に“統一された一つの政府”のもとに自分たちを統合することができなかった結果として全銀河系規模の恒星系間戦争を引き起こしてしまう。人類のほとんどが絶滅した後、僅かに“人類の長い黄昏の時代”を生き延びた地球人類の末裔たちは再び銀河系に進出を開始する。数千光年を隔てて生き残ったシェルメス連邦とル・ヲント共和国は、互いに相知らぬままに再び最も不幸な邂逅の場…戦場…へと足を踏み入れていく。シェルメス連邦暦569年、ル・ヲント共和国暦720年。戦端が開かれたとき、歴史の悪戯は、交戦両国に天才的な用兵者を同時に配していた。連邦のレーフラム・トゥリュー・ネレイドと、共和国のクローネス・マールクの二人は、共に戦争を激しく嫌悪しつつも、戦場でその知謀を競うことになる。前期大戦開戦から、“アルヴェスタの会戦”までを描く、前期大戦開戦編。  緋の黎明
1328KB
全文掲載
CHAP02.JPG - 15,502BYTES
連邦暦570年。連邦発祥の地であるメルティア王国第12代女王ルリア・セウレリウス・リアーが逝去。“政治的には完全な無能力者”と呼ばれた同女王を継いで、メルティア王国の至尊の冠を戴いたのは“絶世の美女”ローリア王女。しかし、彼女もまた“政治的禁治産者”の悪罵を国内外から投げつけられる無能力な政治家に他ならなかった。第13代女王の登極と同時に、メルティア王国では、ル・ヲントとの初めての対外戦争での連邦の苦境に乗じようとする強硬派の勢力が急速に台頭する。志願して連邦空軍艦隊旗艦に搭乗したメルティアの王女メイリア・トヒュナ・リアーは、密かに想いを寄せるレーフラム・ネレイドと、祖国メルティアの間に板挟みとなって苦しむ。考え抜き、連邦を…レーフラムへの想いを…採ったメイリアだったが、祖国が彼女に贈ったのは“売国姫”の罵声だった。 “第二次メルティア紛争”を中心に、“ヘルム宙域会戦”直前までを描く前期大戦動乱編。  嵐の前に
40KB

全文
CHAP03.JPG - 15,801BYTES
連邦圏と共和国圏の境界に浮かぶ無人の惑星シュネーゼル。マールクは麾下の全艦隊兵力を挙げ、シュネーゼルを含むヴィルワ恒星系の確保のための作戦行動を開始。これを察知したレーフラムもまた、再建された連邦空軍艦隊を率い、ヴィルワ恒星系惑星ヘルム宙域での艦隊決戦に臨む。この時、マールクの指揮下にネイス・ミュッケルが共和国宇宙軍艦隊の半数を率いていた。“銀河系大戦最高の戦術指揮官”ミュッケルはその戦術の妙を揮い、“大戦最大の会戦”…ヘルム宙域会戦…を演出する。 200万近い会戦での戦死傷者は、レーフラムとマールクをして講和への道を模索させるきっかけとなるものだった。しかし、両国の政治と経済の指導者たちにとって、講和こそが最も忌避されるべき選択に他ならなかった。 “ヘルムの会戦”から講和交渉までを描く、前期大戦激闘編。  紅蓮の惑星
50KB

全文
 
CHAP04.JPG - 14,699BYTES
講和交渉は開始されたものの、自らの全面勝利を無邪気なまでに信じ込む共和国政府と、局地的な敗戦でしかない現実を知る連邦との間で交渉は進展しない。半年近い交渉の結果、もたらされた成果は、捕虜の相互交換に関する合意に過ぎなかった。これに乗じたレイフレム・ナイザル・ネレイドは、その政治的・経済的影響力のもと、帰還する共和国宇宙軍の捕虜たちにある工作を強制する。持病が悪化して戦場で倒れ、間一髪で生命をとりとめたレーフラムは療養のために惑星惑星ウェルムの空軍病院に入る。講和交渉の続く中、メイリアの看護のもとで一時的に健康を取り戻したレーフラムだったが、その彼のもとにも謀略の手が伸びてきていた。一方、過酷な戦争経済はただでさえ貧弱なル・ヲント共和国の社会を急速に食い潰し始める。アリシア・ミュッケルは、講和による社会崩壊の回避を必死に説くが、その彼女の手をもってしてもル・ヲント社会は破滅への歩みを止めようとはしなかった。艦隊戦闘シーンなし。“572年戦役”直前までの前期大戦謀略編 暗黒の星座
63KB

全文
 
CHAP05.JPG - 14,827BYTES
連邦暦572年、共和国暦722年。“前期銀河系大戦”は遂にクライマックスを迎える。父ナイザルの野望を悟ったレーフラムは、それまでの迷いを捨ててル・ヲントとカルシュ・コーラルからの軍事的脅威の排除のために持てるすべての軍事的才能をそそぎ込む決意を固める。一方、急速に崩壊する社会から目を背けて戦争に狂奔する本国政府を前に、マールクたちもまた連邦の戦意を最終的に砕くための決定的な艦隊作戦を開始していた。両者の決意は、連邦暦572年2月“第二次ターミア辺境宙域会戦”で始まり、同9月の“ミットリッフェル宙域会戦”で終結する、凄惨な“572年の戦役”の火蓋を切り落としたのである。しかし、“銀河系大戦”の行方を大きく変えることになる政治的なうねりもまた全貌を現し、全銀河を歴史の濁流の中に飲み込んでいく。レーフラムとマールク、さらにメイリアとアリシアも例外ではなかった。 
 そして、“大戦”は天翔ける銀狼の登場を迎える…… 
白虹の宇宙
52KB

全文
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銀河系大戦史・後期大戦編
概要
CHAP06.JPG - 16,977BYTES
シリーズ初出。前期大戦編のアウトライン(初期構想)を紹介しつつ、前期大戦後(“ミットリッフェル宙域の会戦”直後)の連邦を描いた物語。レーフラム・トゥリュー・ネレイドの異母弟レーフル・ファウルス・ネレイドは、兄、さらにはマールクとの戦場での対決を夢見て、連邦空軍軍人としての高処につながる階梯に足をかける。後に彼の最も有力な幕僚となり、友人ともなるハイドリヒ・ネーベルシュタットを筆頭に、リン・シー・ファン、アヴドーチャ・アルドリーシャ、エドウィン・ワイルダーらを麾下に従えたレーフル・ファウルスは、グラン・ハイ‐ローゼンバッハ戦役においてその軍事的才能を戦場に問う。本来『白虹の宇宙』の続編であるはずが、シリーズ初出となった。 
132ページ
天翔ける銀狼
66KB
 
CHAP07.JPG - 7,233BYTES
『―――レーフル・ファウルス・ネレイドは、その本質的な好戦性にもかかわらず、“敵戦力の直接的撃滅”よりも“敵の戦略的意図の挫折”を優先させるバランス感覚に恵まれていた。 
レーフル・ファウルスという用兵者の特質は、戦略家としての非常に優れたバランス感覚を持つ一方で、レーフラム・ネレイドやマールク元帥との正面決戦を夢見るという非論理的な流血のロマンティストたり得たことである。“ネレイド兄弟戦役”での彼は常に、この両感覚の危うい均衡を保ち続けなければならなかった』 
(スルフェイク侯爵夫人著“軍事史から見た銀河系大戦”) 

「マールク元帥叛す!」…父ウェスコットを理不尽に処刑した参謀本部と共和国政府を前に、ローク中佐が高らかに宣した言葉が、共和国全域を大混乱のただ中に突き落とした。歯ぎしりする閣僚たちの傍らで、ワシェックは一人、肉の厚い無表情さを変えなかった。滅びに瀕した古い秩序と、新たに生まれ出ようとする潮流とが、共和国圏を激しく揺すぶり立て始める。 

そして、一方、少将に昇進したレーフル・ファウルスは兄レーフラムとの戦いを夢見てヒューロザイオンの戦場へと躍り出る。レーフラムは静かに微笑って、弟を戦場に出迎えた……「戦いとはどんなものか、教えてあげるよ、ファウルス」。“ネレイド兄弟戦役”はヒューロザイオン要塞を巡る、剣戟にも似た艦隊戦で幕を開けることになる。 

196ページ

混沌の薄明
51KB
 
CHAP08.JPG - 16,827BYTES
後年に至って“銀河系大戦”を分析する史家や歴史小説家が、“有り得たかも知れない仮想の銀河系大戦”を論文や小説の形で発表することが流行した時期が訪れる。さして奇妙なことではなかったが、彼らの一致した意見、あるいは“銀河系大戦”を別の“有り得た形”として成立させるための前提条件となったのが、“マールク元帥によるクーデター政権”であったことは注目に値する。 

ある史家は言う。 

「理想的には、開戦直前、“バードフェザー事件”が起こった直後に、マールク元帥が旧共和国政権を打倒し、アリシア・ミュッケルを首班とする新政権を樹立していたとすれば、史実上の“銀河系大戦”こそ“有り得たかも知れない歴史の一ページ”で終わっていたかも知れない。 

 開戦直前でなかったとしても、ローナク艦隊の敗北直後、あるいは“アルヴェスタの会戦”直後、“ヘルムの対陣”の後の講和交渉失敗の段階、などマールク元帥には幾つもの機会があった。いや、アリシア・ミュッケルを首班とする政権を背後に控えていたならば、“五七二年の戦役”でさえ遅すぎる機会ではなかった筈なのだ。 

 旧共和国政権の信用ならざることを自覚するが故に、マールク元帥は敢えて連邦圏の中枢部、ヒューロザイオン宇宙要塞の攻略にまで踏み込まざるを得なかった。その結果がレイフレム・ナイザル・ネレイドによる連邦政権の纂奪であり、レーフル・ファウルス・ネレイドの登極と、それに伴う“後期大戦”の勃発だった。マールク元帥があと一、二年早くクーデターに踏み切っていてくれたならば、戦場に斃れずに済んだ共和国市民は数百万を数えていたかも知れない……」 

196ページ

蒼き焔の環
86KB
 
CHAP09.JPG - 18,901BYTES
第1部『過去と未来と』 導入部。“兄弟戦役”最後の戦いを意識したレーフラム・ネレイドはメイリアと共にメルティアにスルフェイク侯爵を訪ねる。 

第2部『共和国の終焉』 ル・ヲント共和国編。共和国からの離脱を宣言し、アリシアの主導の元に着々と地歩を固めるシュネーゼル共和国。焦りの色を深める共和国政府と宇宙軍参謀本部は、母星市民への無差別殺戮を通告する。これまで新旧共和国の並立を望んだマールクも、遂に旧共和国政府との共存を断念し、母星系侵攻作戦を開始する。一方、アリシアは軍事以外の面からも旧共和国政府の存立基盤そのものを破壊しようとしていた。これに対して、ドロク元帥とワシェック大将に主導された宇宙軍参謀本部は最も卑劣な手段でシュネーゼル共和国に対抗しようとしていた。 

第3部『銀の陥穽<わな>』 シェルメス連邦編。“ヴァーレーン戦役”に勝ち抜き、カルシュ・コーラルの喉元に匕首を突きつけたレーフル・ファウルス・ネレイドは、遂にコーラル全土の制圧を目的とする新作戦『両輪作戦<オペレーション・ダブルホィール>』を開始する。戦闘艦艇2万8000隻を動員する壮大な作戦は、コーラルの制圧と同時に反政府軍<“ザ・ジャービス”>の戦場への釣り出しを目論んだものだった。反政府軍<“ザ・ジャービス”>を指揮するレーフラム・ネレイドは、レーフル・ファウルスの意図を知った上で、敢えてその誘いに乗るべく、可能な限りの大兵力を率いて予定戦場バレルヴァレィ宙域へと向かう。だが、レーフラムを蝕む宇宙飛行士症候群<アストロノーツ・シンドローム>は彼の身体深くに食い入っていた。レーフラムとレーフル・ファウルス、天才的な用兵能力を持った兄弟は、バレルヴァレィ宙域で初めて直接の砲火を交えるが、熾烈な艦隊戦闘の背後でナイザル・ネレイドの謀略の網が連邦圏を覆っていた。 

第4部『兆<きざ>し』 エピローグ。“ミットリッフェル宙域会戦”を最後に流れを分かった連邦と共和国。しかし、彼らの歴史は再び、互いに交わり合う時を迎える。 

236ページ(過去最長)

銀の陥穽
64KB
 
CHAP10.JPG - 7,206BYTES
第1部『発端』  
カルシュを下し、圧倒的な戦略的優勢を手に入れたレーフル‐ナイザル枢軸勢力に対して、反ナイザル勢力が最後の抵抗を試みる。それは、デュレーンのタウナー、セリアのクァシム、シュネーゼル共和国、そしてメルティアによる“和平のための横断的結合”…後世言うところの“ナイザル・バスターズ”の成立だった。 
第2部『三叉戟』   
ミア宙域制圧作戦『三叉戟作戦(オペレーション・トライデント)』第1段階を発令する。凄まじいまでの速度と兵力、そして新型兵器を擁した連邦空軍艦隊の進行の前に、ターミア諸恒星区連合はなすすべもなく蹂躙される。“ザ・ジャービス”への背信を働き、自身の安寧を図ったターミア諸恒星区だったが、ナイザル・ネレイドはこれらの宙域を“第二のコーラル”と化せしめる旨を公表する。そんな中、連邦圏のもう一つの政府・シュレフ・コングロマリット内部での主導権争いも激化、ナイザルによる“終戦構想”を巡る確執が露わになる。 

一方、戦いの終焉と最後の戦いの困難さを見通したネイス・ミュッケルはコーティを旗艦の私室に呼び、またマールクは戦後の退役の意思と、ある想いをミュッケルに打ち明ける。 

第3部『転機』   
“ナイザル・バスターズ”に対し、レーフル・ファウルス・ネレイドは機先を制した『三叉戟作戦(オペレーション・トライデント)』第2段を階発令する。レーフル・ファウルス麾下の連邦空軍艦隊は、遂にマールク艦隊と再び戦場で見える。両者はターミア宙域を舞台に、めまぐるしい艦隊機動で用兵の妙を競い合う。その裏で、レーフル・ファウルスは大戦の終結を一気に決めるべく、大規模な戦略機動を開始していた。 

第4部『終焉』   
『三叉戟作戦(オペレーション・トライデント)』は第3段階へ突入。遂にレーフル・ファウルスによる決定的な戦略奇襲が敢行され、“ナイザル・バスターズ”は窮地に追い込まれる。必死に抵抗する“ザ・ジャービス”、自由コーラル宇宙軍、そしてマールク艦隊だったが、既に“ポスト・アルヴェスタ”級の新型戦闘艦艇で装備を完全に更新し、兵力でも優位に立った連邦空軍の前に、その抵抗は次々に潰えていく。レーフル・ファウルスが戦場の覇者となり、ナイザル・ネレイドによるネレイド朝銀河帝国が、その礎を据えるかと見えたとき、最後の転機が歴史の舞台を訪れた。六年余りにわたって銀河を覆った戦火が熄む時、『おぞましき戦いの閉じられる刻』がついに来る。 

236ページ。

閉じられた刻
137KB
 
銀河系大戦史・外史編 概要
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連邦暦562年7月、15歳のレーフラムは宇宙考古学の調査のためにメルティア・スルフェイク州に足を踏み入れた。宿舎に向かう途中のバスの中から、彼はスルフェイク侯爵の妹姫の姿を目に留める。水晶色の髪を陽の光で金色に輝かせたその少女が12歳になったばかりのメイリアだった。宇宙考古学の調査の代わりに、レーフラムを待っていたのはプリンセス・メイリアを巡る陰謀だった。 

112ページ

 

外史1
1032KB
全文掲載
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共和国暦711年、「ル・ヲントの無敵艦隊」の伝説の最初の1ページを開いたのは、大学のキャンパスから戦艦のブリッジに放り込まれた一握りの青年たちだった。その一人がクローネス・マールク……後のマールク元帥となる。ル・ヲント共和国の熾烈な内戦の中、共和国暦713年から1年余り……マールク艦隊の七提督を描く物語。 

108ページ
 

外史2
6.2MB

全文掲載
 
GAI3.JPG - 2,572BYTES
小柄でちょっと猫背、緩いウェーブのかかった黒い髪を無造作に肩まで伸ばした一四歳のコーティリアは、父譲りの通った鼻筋、濃い眉毛と、きかん気に目尻のちょっとつり上がり気味の黒い目が少年めいた印象を与える一方で、女の子らしい服装をすればしたで奇妙なほどに似合う。よく見れば端正と言っていい顔立ちなのに、決して美少女という印象を与えない。愛称は“コーティ”、ニックネームは“チェシャ”。数学とエア・バイクに人並み以上の関心と、そしてどうやら才能もありそうだった。前期大戦開戦前夜編。 

156ページ 

第1章 戦勝国の一隅にて(pdf 62KB) 『ドレド戦役戦勝国』のル・ヲント母星の一隅でひっそりと暮らしている、バードフェザー退役大尉とその娘コーティリアのもとへかかってきた一本の電話――
第2章 学ばざる人々と……(pdf 89KB) 退役を申し出た『ドレド戦役』の英雄マールク大将に、ル・ヲント政府は新たな、そして愚劣な――銀河を巻き込んだ大戦争を引き起こす命令を下す。
第3章 シェルメス連邦 (pdf 49KB) ル・ヲント母星から遠く、「シェルメス連邦」と呼ばれる巨大な恒星系間国家。そのシェルメス連邦は、まだル・ヲント共和国の存在を知らなかった。
第4章
シュネーゼル事変 (pdf 101KB) 両恒星系間国家の狭間に位置する恒星系シュネーゼル。両国は考えられる限りで最悪の遭遇を迎える、
第5章 底流 (pdf 82KB) 最悪な形での邂逅を果たした、人類の末裔たる二つの国家。一触即発の緊張を孕みながらも、邂逅を最悪なままで終わらせないための努力が動き始めていた。
第6章 外交の「現実」と「幻想」 (pdf 107KB) 共和国と連邦の間で結ばれた、不完全とは言え外交ルートの中、コーティの父デュランに連邦への駐在武官任務が発令される。
第7章
バードフェザー事件 (pdf 121KB) 一度は宇宙の隣人としての共存への道を歩み出すかに見えた両国だったが、破局が訪れる。デュランとコーティのバードフェザー父娘は否応なく、巨大な運命の渦の中に巻き込まれていく。
第8章 ルシタニア号事件 (pdf 104KB) 誰も望まない戦争などあり得ない。戦争の始まる時、必ず戦いへの渇望が存在する。執拗な謀略が、コーティを巻き込んで両国を開戦へと押し流していく。
第9章 そして、緋の黎明へ (pdf 26KB) バードフェザー事件とルシタニア事件により、連邦と共和国の関係は決定的に破綻する。数千万の流血を伴うことになる、一大宇宙戦争がその幕を上げる。
EXTRA
饗宴の前夜、その後(pdf 54KB) コーディリア・バードフェザーのその後、後期銀河系大戦につながるエピソード
 
GAI4.JPG - 2,661BYTES
未来の連邦空軍の総帥が、アヴドーチャ・アルドリーシャの名を将来の幕僚リストに初めて刻み込んだのが、士官学校予科時代であるとの説に、多くの戦史家は否定的である。しかし、軍上層部からの低すぎる評価に、敢えて異を唱えることもなく、常に最も激烈な戦場に立つことを厭わなかった深紅の髪の女性士官の胸の裡に、わずか数週間、籍を置いたに過ぎない士官学校予科でのエピソードが静かな流れをなしていなかったという証拠もまた存在しない。 
アヴドーチャ・アルドリーシャが、レーフル・ファウルス・ネレイドの麾下で勇名を馳せるのは、まだ六年あまりの時が流れて後のことである。 

68ページ 

外史4
2.9MB

全文掲載