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本当にそうなのかどうか。エンサイクロペディア銀英伝を眺めていたら、ラインハルトが幼年学校の殺人事件を解決してから、ヴァンフリート宙域の会戦に参加するまでの約一年弱が空白でした(その前の年はOAVの『奪還者』)。この間に、ラインハルトは大佐から准将に昇進しています。殺人事件を解決したのは確かに功績ですが、将官に上がるような功績でしょうか。将官に昇ると言うことは、指揮する兵力が戦略単位になる(正確にはちょっと違いますが)ということ。会社員で言えば、従業員から経営者になるということ。ええと、言い換えると取締役になると言うことに当たります。 一七歳までラインハルトは非常に優れた戦術指揮官であることを証明して来ましたけれど、複数の戦術単位を指揮して戦局を左右するだけの立場に立ったわけではありません。その彼が将官に抜擢される以上、それなりの才能を示す場があったのではないか、と勝手に仮定しています。フリードリヒ四世が『あの者を准将にしてやれ』と一言言い、ラインハルトが実力で地位に相応しい実績を示した、というものありでしょうけれど、殺人事件の解決で将官昇進というのはやっぱり無理を感じます。 まあ、そう言った勝手な理由付けで、今回は一七歳で大佐のラインハルトと大尉のキルヒアイスに登場願いました。舞台はイゼルローン要塞に籍を置く重巡航艦『ノルデンZ』。ラインハルトは艦長、キルヒアイスは艦長副官です。『ノルデンZ』を舞台に、ラインハルトが単に一艦だけを指揮する器でないことを示すような活躍の場を設定するのが、今回の物語のメイン・テーマとなりました。 と言うか、ミューゼル時代の、変に屈折していないラインハルトは読んでいても、書いていても楽しいです。 |